サイン バルタ。 サインバルタカプセル20mgの効果・用法・副作用

サインバルタカプセル20mg

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サインバルタをはじめとして、抗うつ剤は減量する際に「離脱症状」が生じることがあります。 これは抗うつ剤の血中濃度が急激に低下していく事に身体が 対応できずに生じる反応です。 抗うつ剤の離脱症状は患者さんの間では「シャンビリ」とも呼ばれています。 これは耳鳴りが「シャンシャン」と鳴り、手足が「ビリビリ」痺れることから付けられた名称であり、離脱症状の特徴を良く表しています。 多くの方にとって抗うつ剤は一生服用するものではありません。 どこかで減薬し服薬終了となるのが普通です。 減薬の際は、医師の指示に従って慎重に減薬していけば、離脱症状を起こす頻度はそれほど多くはありません。 しかし無理に急いで減薬してしまったり、本来であればまだ減薬すべき段階ではないのに減薬に入ってしまったりすると離脱症状は出やすくなります。 ここでは抗うつ剤で離脱症状が生じる理由や離脱症状を出来る限り起こさない方法、離脱症状が生じてしまった際の対処法などについてお話させていただきます。 1.サインバルタの離脱症状が生じるワケ まずは抗うつ剤による離脱症状がどうして生じるのかを説明させていただきます。 サインバルタをはじめとした抗うつ剤の離脱症状が生じるのは、抗うつ剤の血中濃度が急激に低下した事に対して身体が対応しきれなかったためです。 予定外の血中濃度の低下に身体は驚き、自律神経のバランスが崩れてしまい、その結果として離脱症状と呼ばれる種々の症状が生じてしまうのです。 抗うつ剤は数か月~数年単位で服用を続けるお薬ですが、ある程度の期間抗うつ剤の服用を続けていると、私たちの身体は「抗うつ剤の成分は毎日身体に入ってくるもの」と認識するようになり、それに基づいて身体の様々な機能を調整するようになります。 このような状態で抗うつ剤が急に減ったらどうなるでしょうか。 今日も入ってくると思っていた成分が、ある日から突然入ってこなくなる、あるいは入ってくる量が予定外に少なくなる、こうなれば身体は驚いてしまいます。 入ってくると思っていたものが急に入ってこなくなるわけですので、身体の機能の調整にも不具合が生じるようになります。 その結果、自律神経のバランスが崩れ、様々な自律神経症状が生じるようになります。 具体的には、耳鳴り、めまい、しびれ、頭痛などが生じます。 これが離脱症状の正体です。 私たちの身体は急激な変化に弱いのです。 身体に何らかの変化を生じさせる場合は、出来る限りゆっくりゆっくり変えていかないと身体は驚いてバランスを崩してしまうのです。 2.各抗うつ剤の離脱症状の起こしやすさの比較 基本的に抗うつ剤は、減薬・中断の際に離脱症状が生じる可能性があります。 しかし抗うつ剤の中にも離脱症状を起こしやすいものとそうではないものがあります。 抗うつ剤の中でも特に離脱症状を起こしやすいのは、• SSRI(選択的セロトニン再取込み阻害薬)• SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬) になります。 また、それに次いで、• 三環系抗うつ剤 でも認められる事があります。 離脱症状が出現する頻度は抗うつ剤によって差がありますが、軽度なものも含めると約20%程度の確率で生じると報告されています。 では具体的にどのような抗うつ剤が離脱症状を起こしやすくて、どのような抗うつ剤が起こしにくいのでしょうか。 離脱症状を起こしやすい条件は、• 効果の強い抗うつ剤• 要するに抗うつ剤が効いている時と効いていない時の差が大きいお薬ほど、その反動が離脱症状として現れやすいのです。 効果の強い抗うつ剤は頼りになりますが、その一方で減薬時も反動が大きくなるため、減った時は離脱症状を認めやすくなります。 また抗うつ剤の半減期が短いほど、離脱症状は起きやすいと考えられます。 半減期というのはお薬を服用して血中濃度が上がってから、その血中濃度が半分に落ちるまでにかかる時間の事で、おおよそですがそのお薬の作用時間と相関します。 半減期が長いお薬は、その成分がゆっくりと身体に効いていき、長く体内にとどまるという事です。 血中濃度の増減も緩やかになりますので、離脱症状は生じにくいと言えます。 一方で半減期が短いとお薬は服用してから早期に血中濃度が上がり、その後短い時間で効果がなくなってしまうという事であるため、血中濃度の幅が大きく、離脱症状が生じやすくなります。 ここで各抗うつ剤の半減期を見てみましょう。 9時間 四環系 テトラミド 18時間 SSRI ジェイゾロフト 22-24時間 デジレル 6-7時間 SSRI レクサプロ 24. 6ー27. 7時間 三環系 トフラニール 9-20時間 SNRI トレドミン 8. 6時間 三環系 アナフラニール 21時間 スルピリド 8時間 三環系 ノリトレン 26. 5時間 三環系 アモキサン 8時間 上記の「効果が強い」「半減期の短い」の二つを満たしているSSRI・SNRIが離脱症状が多いという事です。 総合的に見ていくと、離脱症状がもっとも多いのは「パキシル(一般名:パロキセチン)」になります。 パキシルは効果も強めであり、また半減期が短めになります。 パキシル以外のSSRIでも減薬時に離脱症状は生じえますが、パキシルと比べれば頻度は少ないと言えます。 三環系抗うつ剤も減薬時に離脱症状が生じえますが、その頻度はSSRI・SNRIと比べると少な目になります。 また穏やかに効く抗うつ剤である• 四環系抗うつ剤• ドグマチール(一般名:スルピリド)• トレドミン(一般名:ミルナシプラン) などは半減期は短いものの、効果が穏やかであったりするため離脱症状で困ることはほとんどありません。 NaSSAと呼ばれる抗うつ剤に属するリフレックス・レメロン(一般名:ミルタザピン)は、効果は強い抗うつ剤ですが、半減期は長くこちらも離脱症状はほとんど経験しません。 さて肝心のサインバルタはというと、パキシルよりは少ないもののその他のSSRI・SNRIよりは若干多いという印象があります。 これはサインバルタの効果が強めであること、半減期が短いことが関係しているのでしょう。 サインバルタの離脱症状は、抗うつ剤の中では「非常に多いわけではないが、まぁまぁの頻度で認められる」といったところです。 3.サインバルタの離脱症状の対処法 最後にサインバルタの減薬によって離脱症状が生じてしまった時にどのような対処法があるのかを考えてみましょう。 実際の診療現場で抗うつ剤の離脱症状に遭遇するのは、次の2つのパターンの場合がほとんどです。 自己判断でサインバルタを中止した• 医師との相談の元ではあるが、急いでサインバルタを減薬した まず頻度で言えば前者が圧倒的に多いです。 本当はまだ服用を続けなくてはいけないのに、患者さんの「もうお薬は飲みたくない」という自己判断によって急にお薬の副作用を中止する事で生じます。 ほとんどの方にとって、抗うつ剤のような向精神薬(精神の作用するお薬)は「出来るだけ飲みたくないもの」なのです。 そのため少し調子が良くなると、「もうお薬はやめてもいいのではないか」と考えてしまい、自己判断で中断してしまうのです。 中止した翌日くらいから、徐々に離脱症状が出現してきて、慌てて精神科・心療内科に駆け込むというケースが多いです。 このような場合では原因は明らかですから中止した抗うつ剤を再開すれば数日で改善するでしょう。 早く抗うつ剤を辞めたい気持ちはとても良く分かります。 しかし素人が自己判断で中断の可否を判断するのは危険であり、必ず主治医と相談の上で減薬するようにしましょう。 次に後者の場合は、どうすればいいでしょうか? 「大分調子がいいからお薬を少し減らしてみましょう」 「副作用が強く出すぎているので少しお薬を減らしましょう」 このように主治医から提案を受け、提案通りに減薬しているのに離脱症状が生じてしまったというケースもあります。 この場合に考えうる対処法を紹介します。 離脱症状は、疾患が治りきってない時に無理して減薬すると起きやすい印象があります。 病気が治りきってないということは、まだまだ自分の体だけでセロトニンを出す力が不十分だということ。 この時にお薬を減らしてしまうと、反動が出やすくなり離脱症状も起きやすくなるのです。 数か月待ち、もっと病気が良くなって、自分が体がセロトニンを出す力が出てきてから減薬すれば、抗うつ剤が減っても持ちこたえられる可能性が上がります。 人の体は急激な変化に弱いという特徴があります。 なので、可能な限りゆるやかに減らしていけば、反動は起きにくくなります。 早く減らしたい気持ちはとても良く分かりますが、少しずつ確実に減らしてみましょう。 その方が、結果的に早く薬を辞められることも多いのです。 例えば、サインバルタ60mgを内服していて、40mgに減薬して離脱症状が出た場合は、50mgを間に挟んでみるのです。 脱カプセル(カプセルを取ってカプセル内に入ってる粉だけを内服する)をしてくれる薬局があれば、脱カプセルをすることで、55mgにするなど、より細かい調整も可能となります。 期間も大事で、一般的には2週間に一度のペースで減らしていくのがいいとされてますが、そのペースで離脱症状が出てしまう時は、1か月に一回のペースで減らすなどしてみましょう。 問題となるのがサインバルタ20mgからの減薬です。 サインバルタはカプセルは剤型として20mgカプセルと30mgカプセルの2種類しかありません。 またカプセルの特性上、半分に割ることができないのです。 となると、20mgから0mgにした際に離脱症状が出てしまった際はどうすればいいのか、という問題が生じます。 私が今まで取った方法で成功したものに、 ・脱カプセルして、10mgや15mg相当量にしてもらい、漸減していく ・サインバルタ20mgを2日に1回投与する、などの投与間隔をあけていく ・別のお薬(ジェイゾロフトやトレドミンなど)に切り替え、そこからまた減薬していく などの方法があります。 ぜひ、参考にしてみて下さい。 ただし、離脱症状以外のメリットデメリットがそれぞれのお薬にありますので、主治医を相談しながら変えるお薬は決めましょう。 4.離脱症状と再発を混同しないこと! 抗うつ剤をやめたり減らしたりして、離脱症状が出現すると、 「薬を辞めて症状が出るということは、まだ病気が治ってないんだ」 「一生薬に頼っていかないといけないんだ・・・」 と「病気が再発してしまった」と誤解する方が非常に多くいます。 しかし、離脱症状と病気の症状は全くの別物で、ここは切り離して考えないといけません。 離脱症状は「抗うつ剤の血中濃度が急に下がったことで体がびっくりして」起こった症状なだけで、別に病気が再発したわけではありません。 体をびっくりさせなければ起きない症状なのですから。 ここを誤解して、絶望的になってしまう方は非常に多いです。 離脱症状が出たからと言って、病気が治っていないわけではない。 離脱症状は、病気の治りとは全く無関係に出現する「副作用」なんだと、正しく理解しましょう。 まとめ ・離脱症状は、抗うつ剤の量が急に変わったことで、体がびっくりして生じる ・離脱症状は「効果の強い抗うつ剤」「半減期の短い抗うつ剤」に多く、 サインバルタもやや多く認められる。 ・離脱症状が生じた場合、自己判断での断薬が原因なら、内服を再開することで改善する。 ・減薬の過程で離脱症状が出現した際は、減薬を延期したり、減薬ペースを緩めたり、 他剤に切り替えるなどの方法を取ることで対処できる ・離脱症状は副作用であり、病気が再発・悪化して出現しているわけではない。

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サインバルタ(デュロキセチン)の作用機序と副作用~服用時間が朝食後の理由

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精神科の薬って特にはじめて飲むとき怖いですよね? 内科の薬はすぐ飲めるのに・・・。 この違いは抗うつ剤は効果が出るまでに時間がかかることや、副作用が多いこと、飲むことでかえって悪くなる人もいるからです。 また抗うつ剤といっても、SSRI・SNRI・NaSSA・三環系抗うつ剤・・・・などなど多数の種類が存在し、しかもその中でも様々なお薬が特徴を持って存在しています。 どの薬も同じように効けばいいのですが、効果の出かた、副作用、薬を減量したり中止した時の離脱症状の出やすさも違います。 さらに妊娠中や授乳中、子供は飲んでいいかなど気になることはてんこ盛りだと思います。 ここでは SNRIに分類される サインバルタについて解説したいと思います。 サインバルタの特徴 サインバルタ(サインバルタは商品名で一般名はデュロキセチン)は国際的には2004年に登場し、日本では2010年に販売されました。 抗うつ剤の中ではSNRIに分類されています。 SNRIと言えば、日本では2015年に新薬 イフェクサーSR(ベンラファキシン)が発売されました。 ところが国際的にはイフェクサーは1993年に登場していたのです。 つまりSNRIの中での世界的にみた新薬はイフェクサーではなくサインバルタということになるのです。 実際、うつ病に対するSSRIとSNRIとの比較をした研究はイフェクサーの方が多く、サインバルタがSSRIより優れているかという研究はまだ少ないのです。 そもそも多数ある抗うつ剤の中でSNRIがどんな位置づけなのかみてみましょう。 SNRIは抗うつ剤の主力?~抗うつ剤市場からの視点~ まず、現在日本ではどの抗うつ剤が主力で使用されているのか見てみましょう。 によると、抗うつ剤はこれまでSSRIが主力で拡大してきていたのですが、最近はSSRIよりもSNRIの サインバルタ(塩野義製薬、日本イーライリリー)、NaSSAのリフレックス(Meiji Seikaファルマ)やレメロン(MSD)が拡大してきています。 そして今後もSSRIは縮小し、新しいSNRIやNaSSAなどを主力に処方されていくと見られています。 はたしてSNRIやNaSSAが主力になっていくことで、飲む側としても恩恵があるのか? そのあたりも含めて見ていきましょう。 サインバルタはいつ効果がでる? サインバルタを飲んで6時間で最高濃度に達し、飲んでから8-17時間で濃度は半分になります。 3日連続で飲むとサインバルタの濃度は安定しますが、それでも 実際に抗うつ効果が出るのは2-4週間かかります。 効果よりも先に副作用(吐き気が多いです)が目立ちます。 効果が出だすまでのタイムラグの理由は説明していますが、やや専門的な内容なので飲み始めてすぐではなく2週間はかかることを知っておいてください。 サインバルタはうつ病患者のこの痛みも改善させることがわかっています。 日本でもうつ病の他、糖尿病に関連する神経障害性疼痛にも承認されています。 参考文献• サインバルタはSSRIより優れるのか? サインバルタがSSRIより抗うつ効果が優れているという研究はたしかにあります。 ただサインバルタは、世界的には新しいSNRIであるため、SSRIと比較している研究は少ないです。 それに、サインバルタの内服量を多めに、SSRIは少な目に内服量が設定されていたりするなど、SSRIにやや不利な状況の研究のためこれだけでサインバルタがSSRIより本当に優れるのかは、意見がまだ分かれるところです。 一方で世界的には古い、日本では新しいSNRIのイフェクサー(ベンラファキシン)はSSRIよりうつ病患者の寛解率を高める可能性をもっているといわれています。 通称、 カリフォルニアロケット!! 強力にセロトニンとノルアドレナリンの増強を行う方法で、 SNRI(イフェクサーSRやサインバルタ)とNaSSA(リフレックス、レメロン)の組み合わせで処方されることが多いです。 2010年に、SSRIもしくはSNRIとNaSSAの組み合わせでの治療効果が検討された論文が出ております。 気になる副作用ですが、 体重増加(太る)という副作用と、眠気が強くでてしまいます。 参考文献 サインバルタの副作用 副作用としてよくある反応は、吐き気、口の渇き、めまい、便秘、倦怠感、食欲低下、眠気、発汗です。 実際に服用してすぐに吐き気がでることは実際によく聞きますし、臨床研究でも内服を中断せざるを得なかった理由の第一位です。 吐き気はサインバルタを飲み始めた初期にみられるだけですので、ある程度のみ続けることができれば2週間程度ではおさまってきます。 ただ、もし最初に吐き気のことを主治医から聞かずに飲んでいたら間違いなく不安になることが多いであろう副作用です。 吐き気による食欲低下とは別個に、食欲低下もよくみられる副作用です。 かえってサインバルタを飲んでからやせたという声も聞きますが、一方で過食になって太ったという方もいます。 現在のところ体重の増減については長期でサインバルタを飲んだときの影響はまだわかっていません。 また、頻度は不明ですが性機能障害(男性は射精の障害、男女ともにオーガズムを感じられないなど)も出ることがあります。 母親への影響 母体への影響は、サインバルタそのものの副作用ですが 高血圧と 出血傾向、すなわち血液がさらさらになりやすくなることが出産に影響します。 どう影響するかと言えばひとつは 妊娠高血圧症候群を起こす可能性が高くなることです。 これはいわゆる妊娠中毒症といって、母体がきわめて危険な状況になりやすくなるため妊娠後半であれば早産でもいいので妊娠を中断せざるを得なくなる場合があることです。 もうひとつは出血が止まりにくいことで 出産時の出血に注意を払う必要があることでしょう。 出血が止まらなければ母親に輸血する必要がでるかもしれません。 赤ちゃんへの影響 妊娠初期はあらゆる薬が胎児に影響をおよぼすおそれがあり、サインバルタも例外ではありません。 ただし、SNRIはサインバルタも2015年に発売されたイフェクサーSRも妊娠(初期)中に内服していても 先天奇形との関連がないことが報告されています。 参考文献 出産後、鎮静が強くかかって元気がなかったり、呼吸の補助や哺乳をうまくできなくて管から栄養をしたりする必要がある場合、 しばらく入院が必要な赤ちゃんもいます。 授乳中の赤ちゃんへの影響 サインバルタは母乳中に成分は移行しますので、赤ちゃんは母乳からサインバルタを摂取することにはなります。 しかし、その濃度はとても低いのでほとんど 副作用を認めるレベルではありません。 まれに、鎮静がかかって大人しく元気がないようになってしまう可能性はあります。 また、 母乳中には様々な菌やウイルスから赤ちゃんを守るための免疫( 抗体 こうたい)が含まれています。 母親へのリスク:• 妊娠高血圧症候群• 赤ちゃんへのリスク:• 奇形はそこまで考えなくて良さそう• 出産後に入院が必要になる可能性が0%ではない• 母乳:• リスクはそこまではなさそう• 免疫やコミュニケーションのメリットの方が高そう 結局のところ妊娠・授乳中はサインバルタは中止したほうがいい? メリット・デメリットはわかったような気がしますね。 では実際どう判断したらよいでしょうか? 飲む飲まないよりも、現実問題としてサインバルタをやめることができるのかが問題となります。 今までうつ病で長く内服してきた方が、妊娠したから「サインバルタを、はいやめましょう」と言ってすぐにやめるのは難しいことが多いのです。 そこには2つの理由があります。 サインバルタ中断による離脱症状の危険性• うつ病そのものの症状の悪化 抗うつ剤はいきなりの中断で離脱症状を起こす可能性があります。 具体的には、急激に減量した場合や飲むのをやめると、めまい、口渇、不眠、吐き気、神経過敏、発汗、食欲低下といった症状がでます。 しかも2週間以上続く場合もありえます。 そうなると、薬の量も離脱症状がなくなる量にもどさなくてはなりません。 薬の減量のつもりがかえって多くなてしまう場合もあります。 もう一つの「うつ病そのものの悪化」ですが、これも初期には離脱症状と見分けがつきにくい場合も多くこちらも結果的にもとより増薬になるリスクがあります。 結果的に、減薬を図るつもりが 増薬になってしまうことがあり得ることを念頭にいれる必要があります。 僕個人としては妊娠がわかった段階で可能な限り減薬はします。 しかし、深追いはしないようにしています。 結果的に減薬しても離脱症状やうつ症状が出ないこともありますが、もし深追いして症状が出てしまえば抗うつ剤が増薬になりそれでは意味がありません。 結果、薬が「0」にできなかったとしてもそのまま妊娠出産し、授乳中は薬を減量・中止することなく継続してもらっていることが多いです。 日本において未成年者のうつ病において安全性・有効性について示されている抗うつ薬は存在しません。 ですから日本のうつ病学会ガイドラインでも、 抗うつ薬を使用する際には、本人、家族に対し安全性・有効性が臨床試験で検証されていないことを説明し、リスクとベネフィットを十分に検討した上で、インフォームド・コンセントを得ることが必要である。 引用元: として「効果がない」可能性があることを説明するようにいっています。 そして アクチベーションシンドロームといって逆に 焦燥感 しょうそうかん(そわそわ落ち着かない)や攻撃性、衝動性が出て、自殺念慮が高まる危険性もあるぐらいです。 子供に対する抗うつ薬はそれゆえ 慎重にということになります。 まとめ「サインバルタは良い薬?」 たしかに影響したかもしれませんね。 大事なことは抗うつ効果がすべてではないことだね 車で考えてみましょう。 スポーツカー、4WD、乗用車、ワゴン色々あります。 乗りやすさなら乗用車、ワゴンでしょうね。 海や雪山にいくなら、4WD。 カッコよさや加速性、自己満足でならスポーツカー。 じゃあどれが一番いいでしょう? 一概には答えられませんね。 抗うつ効果と飲み続け安さがわかっただけで、どの抗うつ薬を処方したらいいかわかったわけではないということ。 つまり大事なのは、不安が強いタイプ・不眠が強いタイプ・痛みを伴うタイプなどそのうつ病の特徴に合わせて使っていくというのが良いということです。 サインバルタとイフェクサーの位置づけを見てください。 これをみるとサインバルタはイフェクサーより劣っているとなります。 じゃあみんなサインバルタからイフェクサーにしましょうとはなりません。 個人的にこれはサインバルタの特徴を表しているのかと思っています。 サインバルタのイフェクサーとの違いは、薬の量と抗うつ薬が必ずしも相関関係しないことです。 どういうことかというと、例えば日本ではサインバルタは20㎎から開始して最大容量は60㎎です。 20-60㎎までは量と抗うつ効果の関係は上がりますが、これ以上増やしても効果が上がるわけではないのです。 サインバルタの量60㎎を倍の120㎎にしたからといって効果が強まるということはないのです。 かえって副作用だけが目立ってしまいます。 一方でイフェクサーは飲む量と抗うつ効果が相関しています。 増やせば増やすほど抗うつ効果の増強が望めるのです(もちろん定められた量までです)。

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C.疼痛(3) 神経障害性疼痛

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サインバルタによる便秘とは 便秘とは「排便の回数が減ること」と定義されていますが、それに伴う症状(腹痛、お腹が張る、おならの回数やにおい、便が硬くて痛い)のことを指していっていることが多いでしょう。 それに便の回数が減っていれば便秘はわかりやすいのですが、便の回数はちゃんとあるのに1回の量が少なかったり、便が出た後もお腹がすっきりしないという便秘も存在するため純粋に便の回数だけでは判断できないのが実際には多々あります。 抗うつ剤には副作用が多々あり、その中でも吐き気や眠気についで問題になりやすいものに便秘があるのです。 後に詳細を書きますが、抗うつ剤の持つ抗コリン作用(自律神経のバランスを変える作用)が胃腸の動きを弱め便秘にさせるのです。 サインバルタにも抗コリン作用があり、これが便秘の原因になります。 この抗コリン作用は便秘以外にも口の渇き、尿閉(おしっこが膀胱から出てこない・出にくい)、動悸(脈が速くなる)、緑内障の増悪(眼圧が上がる)などの副作用を起こします。 スポンサーリンク サインバルタで便秘になる理由 サインバルタはSNRI(選択的セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬)に分類される抗うつ剤です。 抗コリン作用(便秘を起こす作用)は現在頻繁に使用される抗うつ剤であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)では一部の薬を除いて弱めなのですが、今でも治療が困難な例に処方される古い抗うつ剤である「三環系抗うつ剤」はこの抗コリン作用が強いことが特徴です。 便秘は自律神経の機能と関連 サインバルタは三環系ではなくSNRIなのですが、SNRIにも抗コリン作用が少なからずあります。 そもそも抗コリン作用とはいったい何かなのですが、自律神経に関係します。 自律神経というと自分の意思とは無関係に働く神経です。 例えば心臓の拍動や胃腸の動き、汗や唾液などです。 心臓の動きをを自分でコントロールすることはできませんし、汗も勝手にでてきます。 胃腸の動きも意思では難しいですね。 これらの働きを支配しているのが自律神経です。 そして自律神経には交換神経と副交感神経とがありこのバランスが崩れて身体の症状がでてしまうものを自律神経失調症と言います。 副交感神経という神経は、リラックスしているときに働く神経です。 リラックスしているときは心臓の動きはゆっくりになるし、胃腸の動きは活発になり食べ物の消化は良くなるのはイメージしやすいと思います。 一方、 交感神経は緊張しているときや興奮時に優位に働く神経系です。 例えばスポーツ時には心臓の動きは活発になり速く脈打つようになりますし、胃腸の動きは弱まります。 抗コリン作用に話を戻しますが、 「抗コリン作用=副交感神経を抑える」という意味なのです。 つまり交換神経を優位にするので、(スポーツをしているときをイメージして)脈は速まり、胃腸の動きは抑えられ、汗が出る方向に働くのです。 コリンって何? 副交感神経の神経伝達に関連する物質を 「アセチルコリン」と言います。 つまりアセチルコリンを増やせば副交感神経(リラックスしているときに強くなる神経)がよく働くようになります。 要は 「抗コリン作用」とは「抗副交感神経作用」ということになります。 サインバルタと抗コリン作用 一方、交感神経(スポーツのときなど活動時に強くなる神経)の神経伝達物質は 「ノルアドレナリン」です。 サインバルタは神経伝達物質 「セロトニン」 「ノルアドレナリン」を増強する抗うつ剤です。 抗うつ剤としての神経伝達物質の作用は上記のような感じですが、「ノルアドレナリン」は自律神経に対して特に交換神経の作用を強めます。 このことは逆の副交感神経の作用を弱め、結果「抗コリン作用=副交感神経を抑える作用」として働きます。 副交感神経は胃腸の動きと関連しますから、これが抑えられれば便秘になるというわけです。 これがサインバルタによる便秘のメカニズムです。 スポンサーリンク サインバルタによる便秘の対処法 経過をみる サインバルタに限らずほとんどの抗うつ剤で共通しますが、飲み始めの初期に副作用が目立ち1-2週間程度で副作用がおさまってくる傾向があります。 これは便秘も同様ですが、他の副作用とくらべて若干長くかかる場合もあります。 おおよそ1ヶ月程度は経過をみてみるのが良いでしょう。 以下は国内の臨床研究のデータです。 縦軸は副作用の数、横軸はサインバルタを飲み始めてからの週数です。 このグラフではシルバーの棒グラフが「便秘」の副作用を起こした人数で、「0-2」週間で最も多く認め、そこから時間の経過とともにその数は減っていることがわかると思います。 あとは基本ですが、生活習慣を見直すことや食物繊維をしっかりとることも重要です。 生活習慣に関してはうつが強い時にはわかっていてもできないことはあるかもしれませんが・・・。 サインバルタを減薬する 飲み始めてどうしても便秘が日常生活の支障になる場合(腹痛がつらい)には減薬を考えざるを得ません。 ただし、サインバルタは通常20mgカプセルを1日1回朝食後から内服スタートします。 この20mgカプセルが最小量なのでこの場合減薬はできません(カプセルを空けるのは吸収などの都合上NGです)。 減薬は増量してから便秘気味になった場合の対応法となります。 内服しはじめて1-2週間であれば問題ないですが、しばらくの期間(だいたい一か月半以上)飲んだあとに減らしたり断薬すると 離脱症状を起こす可能性があるので注意を要します。 離脱症状とは抗うつ剤に共通してみられる特徴で、急に減薬したりお薬を中止することでうつや不安の症状がでたり、めまいや異常な感覚、だるさなど諸症状が出てくるものをいいます。 サインバルタから他の抗うつ剤に変える(スイッチする) 初期の投与量でひどく便秘になってしまった場合や減薬しても改善がない場合に行いますが、長く飲んでいる場合には抗うつ薬の変更時にも離脱症状がおこることがありうることを知っておきましょう。 サインバルタと同じSNRIならイフェクサーSRがありますし、SSRIの中で抗コリン作用が少ないものですとジェイゾロフトやレクサプロを通常考えます。 (イフェクサーSRは量を増やせばよりノルアドレナリン量が増えるので便秘になるリスクはサインバルタより高い可能性も否定はできません。 インタビューフォームによると便秘を含む腹部の不快な副作用は20%以上で認められています。 ) 便秘の主な原因である抗コリン作用が弱い抗うつ薬を示しておきましょう。 ただし基本どの抗うつ剤でも便秘の副作用は「0」ではありません。 SSRI: ジェイゾロフト(セルトラリン)、レクサプロ• ひとつは便を軟らかくして排便しやすいようにする作用のもの (機械的下剤)と、もうひとつは腸の動きを亢進させる作用 (刺激性下剤)です。 下剤は基本的に副作用のない機械的下剤から使用します。 機械的下剤は便を軟らかくさせる作用のあるお薬(というより物質)です。 代表的なものに 酸化マグネシウム(マグラックスなど)があります。 これで効果が薄い時は大腸刺激性の下剤が即効性もあり効果的にも有用です。 代表的なものにプルゼニド(センノシド)という錠剤がありますが、刺激することにより腸を動かすのでときに腹痛や吐き気の原因になることや、長期に連用すると効き目が落ちたりすることがあります。 同じ刺激性下剤にラキソベロン(ピコスルファートナトリウム)という目薬のような容器に入った液体のお薬やレシカルボンという 坐薬 ざやくもあります。 まとめ「サインバルタによる便秘と対処法」 サインバルタをはじめ抗うつ剤には便秘の副作用があります。 便秘の原因は主に自律神経機能を変化させることによります。 具体的には抗コリン作用といって副交感神経(リラックス時に優位に働き腸管の動きを亢進させる)が抑えられ交感神経が優位になることによります。 サインバルタはSNRIという抗うつ剤で、ダイレクトに抗コリン作用を起こすわけではなくセロトニンとともにノルアドレナリン系の神経伝達を強め交感神経を優位にさせ、腸管の動きを抑えます。 対処法としては経過観察で改善するのを待つか、下剤を使用することもあります。

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